予備群だって危ない…高血糖を放置するとがんを招く

公開日: 更新日:

 また、「AGE」(終末糖化産物)が、がんの発症に関わっているとも考えられている。AGEは糖とタンパク質が加熱されて出来た物質で、老化を進める原因のひとつとされている。

糖尿病で血液中の糖が過剰になると、糖が細胞や組織をつくっているタンパク質に結びつく『糖化反応』が起こります。この糖化反応が進んで、タンパク質が元に戻れない状態まで変性した物質がAGEです。高血糖状態が長く続くとAGEが多く発生し、体内に蓄積されていきます。AGEは細胞の酸化を促進して変異させ、がんの発症につながるのです」

 糖尿病の人はもちろん、正常よりも血糖が高い予備群も、そのまま放置してはいけない。

 血糖は一日の中で上がったり下がったりを繰り返していて、その変動幅は「グルコーススパイク」と呼ばれている。予備群でも、血糖の変動幅が大きいと細胞を傷つけ、がんの発症リスクをアップさせるのだ。

健康診断で予備群の疑いを指摘された人は、まだ大丈夫だと安心してはいけません。HbA1cと空腹時血糖値だけでは予備群=境界型糖尿病かどうかははっきり分からないので、まずは糖尿病専門医院などでブドウ糖負荷試験を受けて状態を把握しましょう。予備群の人は食事療法をするだけでも6割以上は正常な状態に戻ります。また予備群の段階でも、糖の吸収を穏やかにするαグルコシダーゼ阻害薬を予防的に使用することが保険適用になっています」

 がんを防ぐためには、高血糖を放置してはいけないのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々