著者のコラム一覧
神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

「薬をやめたくない」患者の希望とどう向き合うべきか

公開日: 更新日:

 薬の中には「やめられない薬」というものもあります。その理由には①「やめたら症状が悪化する(最悪の場合は死に至る)」、②「やめたくない」の2つがあります。

 ①の場合、たとえば1型糖尿病はインスリンを補うことが必要不可欠で、「インスリン製剤」を投与しなければ亡くなることもあります。また、臓器移植(造血幹細胞移植や肝移植など)を受けた患者は「免疫抑制剤」を使って免疫を抑えることが必須です。このように、①は「必要不可欠な薬」であることからやめることができません。

 ②の場合は、いくつか状況が考えられます。「やめたいけどやめられない(薬物依存)」ケースや、「その薬が“最後の切り札”であるが故にやめたくない」といったケースが想定されます。

 中でも、後者は非常に難しい問題です。治療法がほかに見当たらず、その薬が最後の頼みの綱となると、患者やその家族が「やめたくない」と強く希望することは理解できます。

 しかし、「それ以上、その薬を続けても治療効果が得られない」となってしまった場合はどうでしょう? しかも、その薬が高額薬剤だった場合はどうでしょうか?

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲