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神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

「薬をやめたくない」患者の希望とどう向き合うべきか

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 たとえば、新しい抗がん剤(免疫チェックポイント阻害剤)の「オプジーボ」や「キイトルーダ」は非常に高額で、前者は年間約1700万円(体重60キロの場合)、後者は年間約1400万円かかります。ただ、高額療養費制度によって患者が実際に求められるのは月8万円程度です。その差額は、国民が負担した医療保険料と税金で賄われます。

 どちらの薬も、肺がんや悪性黒色腫(皮膚がん)で使用する場合、“最後の切り札”に近い状態で使われます。しかし、抗がん剤は徐々に効果が弱くなることがあります。これらの薬の効き目が悪くなった時、患者や家族は「もうやめてください」と言えるでしょうか? そして、患者が「やめたくない」と希望しているのに、医師は中止を決断できるでしょうか?

 それ以上の効果が望めない状況で薬を続けるのは、治療的にも医療経済的にも適正使用とはいえません。しかし、患者の“気持ち”は別問題といえます。「薬をやめられない」というのは、医療が抱える難しい問題のひとつなのです。

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