精神栄養学の国内第一人者 血液検査で不足の栄養素を判定

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「エネルギーの過剰摂取で脂肪細胞が増えると、炎症性サイトカインというホルモンを放出します。炎症性サイトカインは、必須アミノ酸のひとつのトリプトファンをキヌレニンという物質に代謝する活路を活性化します。脳のミクログリアという細胞は、炎症性サイトカインが増えると、キノリン酸という脳を傷害する物質の産生をキヌレニンに促すのです。また、トリプトファンが減少すると、セロトニンやメラトニンなどの気分の安定や睡眠に欠かせない物質の産生も減ってしまいます」

 糖尿病ではインスリンの働きが関係する。インスリンは血糖を下げる作用があるが、脳では神経保護作用や神経栄養作用(細胞を育てる)を持つ。糖尿病のインスリン抵抗性が脳機能に影響を与えることが明らかになってきているという。功刀部長は、このような生活習慣病が強く関係するうつ病は、全体の2~3割を占めるとみている。うつ病の治療でも、基礎疾患のコントロールと食生活の見直しが欠かせない。

 また、功刀部長が担当する「うつ病外来」では、必ず血液検査をする。それはうつ病に関係する栄養素の不足やバランスを調べるためだ。必要であれば通常の治療に「栄養補充療法」を加える。

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