精神栄養学の国内第一人者 血液検査で不足の栄養素を判定

公開日: 更新日:

「エネルギーの過剰摂取で脂肪細胞が増えると、炎症性サイトカインというホルモンを放出します。炎症性サイトカインは、必須アミノ酸のひとつのトリプトファンをキヌレニンという物質に代謝する活路を活性化します。脳のミクログリアという細胞は、炎症性サイトカインが増えると、キノリン酸という脳を傷害する物質の産生をキヌレニンに促すのです。また、トリプトファンが減少すると、セロトニンやメラトニンなどの気分の安定や睡眠に欠かせない物質の産生も減ってしまいます」

 糖尿病ではインスリンの働きが関係する。インスリンは血糖を下げる作用があるが、脳では神経保護作用や神経栄養作用(細胞を育てる)を持つ。糖尿病のインスリン抵抗性が脳機能に影響を与えることが明らかになってきているという。功刀部長は、このような生活習慣病が強く関係するうつ病は、全体の2~3割を占めるとみている。うつ病の治療でも、基礎疾患のコントロールと食生活の見直しが欠かせない。

 また、功刀部長が担当する「うつ病外来」では、必ず血液検査をする。それはうつ病に関係する栄養素の不足やバランスを調べるためだ。必要であれば通常の治療に「栄養補充療法」を加える。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

  2. 2

    井桁弘恵ショートカットで“山之内すず化”が加速! 「そっくり問題」いよいよ待ったナシ

  3. 3

    大阪万博は開幕1カ月を待たずトラブル続出…場当たり説明でGW後半の盛り上げムードに水を差す協会の大罪

  4. 4

    巨人阿部監督はなぜ田中将大にだけ甘いのか…2試合連続炎上でさすがに二軍調整も

  5. 5

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”

  1. 6

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  2. 7

    ダウンタウン復帰が外部資金でコンテンツ配信のナゼ…松本人志に浮上した疑惑の顛末

  3. 8

    斎藤元彦・兵庫県知事が頑迷に貫く「治外法権」…公益通報を巡る国の勧告もガン無視

  4. 9

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  5. 10

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???