治療の第一人者が警鐘 子供は1週間でネット依存状態に

公開日: 更新日:

 子供がネットばかりやっていて成績が落ちた――。それはもしかしたら「ネット依存」かもしれない。2011年、日本で初めてネット依存治療を開始した久里浜医療センター・樋口進院長に話を聞いた。

 ネット依存の意味はなんとなく知っている人が多いだろう。しかし、「その危険性を十分に理解していない。医師、親、学校関係者も含めて、軽く捉えている人が大半」と、樋口院長は指摘する。

 久里浜医療センターでは新規、継続のネット依存患者が年間のべ2000人受診。身体的問題として、視力低下、頭痛、寝不足によるだるさ、肥満、腱鞘炎、栄養障害、体重減少、骨密度低下、心肺機能低下、体の発達障害が見られる。

「寝ない、動かない、食べない。ゲーム前は運動部に所属していたような子供でも、筋力、瞬発力、柔軟力、握力、持久力すべての項目で平均値よりずっと低い数値が出る。まだ10代なのに、肺機能は30~40代という子供も珍しくありません」

■治療の難しさは群を抜く

 同じ姿勢を続けるため血栓が固まりやすく、エコノミークラス症候群(肺血栓塞栓症)を起こしやすい。アルコール依存症や薬物依存症と同様の脳の前頭葉の働きが悪くなる、という報告もある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」