【血管拡張ホルモン】ポンプ役の心臓は内分泌臓器でもある

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「いずれも心臓に負担がかからないように働くのです。国内ではANPは急性心不全治療薬として頻用されていますし、BNPは心不全で血中濃度が大きく上昇するので、心不全の重症度判定に欠かせない診断法となっています」

 もうひとつ、血管拡張作用のある代表的なホルモンが、血管の内皮細胞から分泌される「一酸化窒素(NO)」だ。86年に米国の化学者ファーチゴットが血管拡張因子の本体であることを発見し、98年にノーベル医学生理学賞を受賞している。最も単純なガスが、ホルモンとして重要な働きをしているのだ。

「NOの血管拡張作用が分かりやすいのは、ペニスの勃起です。勃起もNOによって血管の平滑筋の細胞内にサイクリック(c)GMPという物質が増え、それが血管を広げてペニスに血液が充満します。バイアグラはcGMPを分解する酵素の働きを阻害する薬です」

 狭心症や心筋梗塞後に使われる硝酸薬はNOの生成を促す薬で、同じくcGMPが増加する。そのためバイアグラとの併用は、急激な血圧低下を起こす危険性があるので禁忌となっている。また、閉経前の女性脳卒中や心筋梗塞が起こりにくいのは、女性ホルモンがNOの分泌を高めることが関係しているという。

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