【血圧上昇ホルモン】脳に作用して塩分を取りたい気分に

公開日: 更新日:

 あらゆる生物のふるさとは海。陸上で生活するようになった生物が、生き残るためにつくられるようになったホルモンが「アンジオテンシンⅡ」と「アルドステロン(鉱質コルチコイド)」だ。両方とも血圧を上昇させる作用をもつ。

 東京都立多摩総合医療センター内分泌代謝内科の辻野元祥部長が言う。

「海水は塩分が豊富で浮力があります。しかし、陸上では食べ物がないと塩分不足になりやすく、重力がかかるので、塩分が足りないと血圧が維持できません。血液中の塩分濃度が低下すると、腎臓が感知してレニンという酵素を出します。この酵素の働きによって、肝臓で分泌されているホルモンが血管収縮作用のあるアンジオテンシンⅡに変換され血圧が上がるのです」

 アンジオテンシンⅡは脳にも作用して、塩分を取りたい気分にさせるという。さらに、副腎皮質に働いてアルドステロンの分泌を促す。

 アルドステロンは腎臓からの塩の再吸収を高め、塩分を体にため込んで血圧を上げる作用があり、カリウムをゴミとして体外に排出する働きもしている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?