梅毒<2>見落とされがち 正確な診断には正直な告白が不可欠

公開日: 更新日:

 30代男性で受診の3日前に、ピンクサロンでオーラルセックスのサービスを受けた。そして、尿道口から黄色い膿(うみ)が出てきたことから受診。最初は「淋菌性尿道炎」と診断がついた。ところが性器診察時の問診で、さらに約3週間前にソープランドで腟性交とオーラルセックスをしていたことが判明した。

「それで患者さんの尿道口を開いてみたら、尿道粘膜に潰瘍が見つかりました。実は、淋病にかかる前に梅毒に感染していたのです。ピンクサロンで淋病にかかっていなければ、本人は梅毒の感染には気づいていません。診療経験の豊富な専門医でないと、このようなケースでは梅毒は見逃されてしまうでしょう」

 さらに、この患者の喉を調べると淋菌が検出され「淋菌性咽頭炎」にもなっていた。咽頭に自覚症状はなく、発赤やへんとうの腫れなどの所見もなかった。性感染症は重複感染が少なくないので要注意という。また、梅毒は性器以外の皮膚や粘膜の傷口からも感染する。頻度は2~3%以下と低いが、口唇、手指、乳頭などに潰瘍ができる場合がある。

 国内の梅毒の急増を受け、厚労省は今年から医師の届け出内容を変更し、患者の性風俗の利用歴や従事歴を加えるという。

 次回は、梅毒の早期第1期に続く、「早期第2期」「後期梅毒(第3期)」の症状を取り上げる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景