日本人の失明原因4位「加齢黄斑変性」の知られざる深刻さ

公開日: 更新日:

 加齢黄斑変性は「見たい部分が歪んで見える」「見たい部分が黒っぽくなって見える」病気。欧米では成人の失明原因の第1位、日本では第4位だ。対策はあるのか?

 加齢黄斑変性を発症した有名人といえば、野球解説者の江本孟紀氏(71)だ。本人が雑誌に語った内容によれば、異変を感じたのは2010年。両目で見た時は問題なかったが、左目だけで見ると直線が丸みを帯びて見えたという。

 慶応義塾大学医学部眼科学教室専任講師の小沢洋子医師は、加齢黄斑変性の臨床の専門家。高度な治療を求めて全国から大勢の患者が診察に訪れるが、その中にはすでに症状が進行し、日常生活に不便を抱える患者も少なくない。

「ホームページの中には、加齢黄斑変性の見え方がそんなに深刻に思えないものもありますが、海外では違います。可愛い子供の顔が黒くなって見えない。患者さんからは『先生の姿は分かるのですが、表情が見えません』『読もうと思った新聞の文字が見えず読めません』などと言われます」(小沢医師=以下同)

 見え方に変化が起こる理由は、網膜の中心部にある「黄斑」という部分に障害が生じるから。原因は長年にわたる過剰な酸化ストレスの蓄積と慢性炎症だ。加齢黄斑変性には2種類あり、酸化ストレスと慢性炎症で出来た新生血管(異常血管)から出血などが起こるのが「滲出型」。一方、酸化ストレスと慢性炎症によるダメージで細胞が萎縮するのが「萎縮型」だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁