リンパ浮腫は保存療法では止まらない…今できる最善のこと

公開日: 更新日:

「ところが現状は、むくみが現れてから治療開始になるケースがほとんど。リンパ浮腫という病名から、むくみ(浮腫)の病気と考えられがちですが、そうではなく、リンパの流れが悪いのが問題なのです。私は『リンパ不全』と呼ぶべきではないかとも思っています。このリンパの流れの悪さは、術後3カ月から半年くらいから2年以内に見られる。その段階、つまり、むくみなどの自覚症状が出る前から治療を開始するのが最善の策なのです」(山本医師)

■症状の進行を遅らせられても止めることはできない

 リンパ浮腫の治療には、弾性包帯や弾性着衣で患部を圧迫する圧迫療法をはじめとする「保存療法」、リンパ管細静脈吻合術や血管柄(へい)付きリンパ節移植術などの「手術療法」がある。山本医師が言う"治療"とは、後者の手術療法だ。

「保存療法では、症状の進行を遅らせることはできても、止めることはできません。手術をしても必ず進行を止められるとは限らないため、手術には賛否両論があります。しかし、手術をしなければ確実に進行する。最初に検討されるリンパ管細静脈吻合術は非常に負担の少ない手術ですが、進行すれば、それが不可能になることも。負担の大きい血管柄(へい)付きリンパ節移植術や、あるいはそれすらもできないようになります」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも