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北沢伊斉藤歯科医院院長

1977年7月8日、長野県生まれ。斉藤歯科医院院長。2003年に日本大学松戸歯学部を卒業。同年から同院に勤務し、13年から院長に就任した。若手歯科医師に向けたセミナーの講師を務め後進の育成にも取り組んでいる。日本口腔インプラント学会専門医。千葉県歯科医師会所属。

「キシリトール」で本当に歯の再石灰化ができるのか

公開日: 更新日:

 再石灰化はズバリ「できない」と考えています。

 2015年、イギリスの研究グループがキシリトールの虫歯予防修復効果について検証し、「十分に効果があるというデータを示すことができなかった」と発表しました。

 医療従事者は、研究結果(エビデンス)の裏打ちがなければ「効果がない」と考えますから、現段階では修復と再石灰化に関して、その効果は「認められない」と認識しているのです。

 僕の患者さんの話ですが、知覚過敏を治したくて約20年もの間、歯の再石灰化をうたったキシリトールガムを積極的に選んで噛んでいた女性がいました。

 彼女は歯の再石灰化ができれば、歯全体で感じる熱さや冷たさ、歯の付け根が染みる知覚過敏を治せるのでは……と期待していたそうです。診察時にこの研究結果の話をして「キシリトールガムを噛んでも知覚過敏は治らない」と伝えると、とても驚いていました。

 彼女は、歯磨き粉もキシリトールが配合されているものを積極的に使用していたそうです。もちろん、エビデンスがないのですから、効果は期待できません。長い年月、効果を期待していたのでしょう。ひどくガッカリされて、その様子は大変気の毒なものでした。

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