保険でカバーできる「傷が残らない」甲状腺の内視鏡手術

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 喉仏のすぐ下にあり、ホルモンを分泌している甲状腺。シコリができて大きくなる結節性甲状腺腫やがん(乳頭がんなど)、ホルモン分泌が過剰になるバセドー病などの疾患では、手術が必要になる場合がある。

 甲状腺疾患は女性に多く、一般的に行われている頚部外切開手術は首に5~8センチの傷痕が残るので嫌がる人が少なくない。それが近年、首に傷痕が残らない甲状腺の内視鏡手術が保険適用になっている。

 しかし、実施している病院(全国30施設ほど)は意外と少ない。なぜなのか。甲状腺の内視鏡手術を専門に行っている札幌徳洲会病院・甲状腺内視鏡サージセンター(札幌市)の片山昭公センター長が言う。

「保険診療で行うためには、外科(内分泌外科)または耳鼻咽喉科(頭頚部外科)の専門医資格を有し、診療経験年数が10年以上で、かつ、内視鏡手術の執刀医としての経験症例数が5例以上の常勤医が在籍しているという厳しい施設認定条件があるからです」

 甲状腺の内視鏡手術の歴史は、日本医科大学内分泌外科の清水一雄名誉教授が世界に先駆けて、1998年にVANS法を開発したことからスタートしている。

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