精神科医が語る「自殺者が少ない地域」7カ所の共通点

公開日: 更新日:

ひきこもりの人も孤立はせず

 これは、親子関係や所属するコミュニティーでも応用できる考え方だと、森川医師は指摘する。それぞれが「正解は一つではない」と捉え、相手の意見に耳を傾ける。

「自殺希少地域でもひきこもりの人はいましたが、孤立はしていなかった。周囲がその人となりを把握し、家にこもりたい気持ちを理解している。近所同士対立している人もいました。悪口を言いもするのですが、周囲はそれはそれとして話を聞き、派閥をつくるでも、村八分にするでもない」

 ある自殺希少地域での特別養護老人ホームでは約40人の入所者がいたが、抗精神病薬を服用している人はゼロで、睡眠薬は2、3人。これは珍しいケースであり、森川医師は「最新の介護手法を用いた結果か」と考えていたという。

「しかし訪問すると、そうではない。ただ、一人が歌いだすとほかの入所者も歌いだす。独り言もとがめない。怒ったり、薬が必要なのでは、と考えるところも多いのですが……。あの人はあの人だといった理解が入所者やスタッフにある」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  3. 3

    長嶋一茂が晒した「長嶋家タブー」の衝撃!ミスターとの“今生の別れ”、妹・三奈との根深い確執も赤裸々

  4. 4

    “Snow Manの頭脳”阿部亮平は都立駒場高校から“独学”で上智大理工学部へ 気象予報士にも合格

  5. 5

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  1. 6

    手ごたえのない演奏を救ったのは山下達郎 弱冠22歳の雄叫びだった

  2. 7

    長嶋茂雄さんは助っ人外国人のセックスの心配もしていた。「何なら紹介してやろうか?」とも

  3. 8

    父の死去で長嶋一茂は“天然キャラ”封印…KY発言に噛みつく「不謹慎警察」のエジキになる恐れ

  4. 9

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  5. 10

    「ルンバ」のアイロボット社に事業継続困難疑惑…代表執行役員社長が舞台裏を説明