著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

ただ血糖値を下げるだけでは患者の予後は良くならない

公開日: 更新日:

 糖尿病の治療は、血糖だけを見ていてはならない。

 この傾向は、「GLP―1受容体作動薬」や「SGLT2阻害薬」といった新しいタイプの糖尿病の薬が出てきて、より強まりました。新しいタイプの薬には、ただ血糖を下げるだけではなく、ほかも改善する作用があるからです。

■“プラスアルファ”が重要

 例えば、2014年に日本で発売されたSGLT2阻害薬は、腎臓から血液中に再吸収されるブドウ糖を阻害し、尿に排出させて血糖値を下げるメカニズムの薬です。

 これは従来の糖尿病の薬とは全く違うメカニズムで、「直近1~2カ月の血糖の平均値を示すHbA1c(ヘモグロビンA1c)を低下させる」「空腹時・食後の血糖上昇を抑える」「単剤では低血糖を起こしにくい」といった作用に加え、体重も低下させ、さらには動脈硬化を進行させる脂質異常症も改善する作用を認めています。ブドウ糖を尿に排出する時にナトリウムも一緒に排出するため、血圧低下作用も持ち合わせています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い