「今日の検査、異常なし」より「予想より悪い」がいい理由
「今日の検査結果は異常なし。本当によかったです」
外来を受診した患者さんから、こんなふうに言われることは珍しくありません。
何らかの生活習慣病を抱えていたり、数値の異常を疑っていたりで病院に来ているわけですから、検査結果が出るまでは少なからず不安を抱えておられるのでしょう。ひと安心した表情。当院は、飲食店が立ち並ぶ新橋や銀座にも近いですから、「おいしいものを食べて帰ります」とおっしゃる患者さんもいます。
しかし、「外来で検査を受けて異常なし」の理由だけで安心するのを私はあまり良しとしていません。むしろ要注意と考えています。
糖尿病で治療を受けていて、定期的に外来を受診している患者さんでも、その頻度は数カ月に一度です。HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)、血糖値、中性脂肪、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)などが“今回は”よくても、検査時以外はどうか? もし検査結果に安心し、新橋の大衆居酒屋でビール片手に焼き鳥を食べ、シメにラーメンを食べたら……。