青あざだけじゃない 血小板減少症は肝臓の線維化のサイン

公開日: 更新日:

「特にそんなことはない」なら、過去の血小板数値に異常がないか確認した上で、大丈夫なら様子を見ます。「過去に精密検査を受けましたが、大丈夫でした」も様子見ですが、「精密検査を受けたことがない」という人は、一度、検査を受けるべきでしょう。

 血小板減少症は、いろいろな原因が考えられますが、侮ってはいけないケースが少なくないのです。たとえば、肝炎や肝硬変などで、肝臓が硬くなる線維化が進むと、血小板の数値が低下することが知られています。肝機能の数値としては、γ―GTP、ALT、ASTなどが有名ですが、肝臓の線維化との相関関係は血小板が一番です。

 18万個で軽度の線維化が認められ、さらに進んで10万以下だと肝硬変が疑われますから、前述の基準値内でも低下傾向なら要注意。肝炎のうちに治療を受けたり、生活改善に取り組んだりすれば肝機能は改善しますが、肝硬変になると難しいですから。

 もうひとつが、薬剤の影響です。リウマチの薬でよく使われるメトトレキサートや抗てんかん薬のカルバマゼピン、甲状腺治療薬のチアマゾールなどは副作用に血小板減少があります。それらによる薬剤性なら、薬の変更で血小板の数値は改善します。

 一方、骨髄の病気やがんなどになると、逆に血小板の数値が上昇することも。そうなると、血栓ができやすくなり、脳梗塞心筋梗塞のリスクが上昇。こちらも見逃してはいけない病気ですから要注意でしょう。

(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)

【連載】医師の常套句「様子を見ましょう」の真意

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【夏の甲子園】初戦で「勝つ高校」「負ける高校」完全予想…今夏は好カード目白押しの大混戦

  2. 2

    ドジャース大谷翔平「絶対的な発言力」でMLB球宴どころかオリンピックまで変える勢い

  3. 3

    やす子「ドッキリGP」での言動が物議…“ブチ切れ”対応で露呈してしまった芸人の器量と力量

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    中央学院戦の「1安打完封負け」は全部私の責任です。選手たちにもそう伝えました

  1. 6

    菊池風磨率いるtimeleszにはすでに亀裂か…“容姿イジリ”が早速炎上でファンに弁明

  2. 7

    タレント出身議員の“出世頭” 三原じゅん子氏の暴力団交遊疑惑と絶えない金銭トラブル

  3. 8

    巨人の正捕手争い完全決着へ…「岸田>甲斐」はデータでもハッキリ、阿部監督の起用法に変化も

  4. 9

    ドジャース大谷翔平の突き抜けた不動心 ロバーツ監督の「三振多すぎ」苦言も“完全スルー”

  5. 10

    萩生田光一氏「石破おろし」がトーンダウン…自民裏金事件めぐり、特捜部が政策秘書を略式起訴へ