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名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

その情報は「論理」なのか「事実」なのか…それがまず重要

公開日: 更新日:

 情報を吟味する際にまず重要なことは、それが理論なのか、事実なのかという視点です。

 例えば体内の酸素利用過程で生じる活性酸素は、がんや老化と関連しています。

 その活性酸素による酸化過程をブロックすれば、がんや老化を防ぐことができるかもしれません。

 ビタミンAやビタミンEは抗酸化作用を持つため、活性酸素による酸化を抑え、がんや老化の予防に役立つ可能性があります。こうした話を聞くと、多くの人はビタミンAやビタミンEをたくさん取るといいのだと思うかもしれません。しかし、これは単なる論理です。つまり、「ビタミンAやEを取ると老化やがんが予防できる」というのは論理に基づく仮説にすぎないのです。

 しかし、現実にはこうした仮説があたかも事実のように世に流れます。公益財団法人長寿科学振興財団が提供する「健康長寿ネット」という、いかにも信用できそうなウェブサイトがありますが、そこ(編集部注=「抗酸化による老化防止の効果」更新日:2019年2月1日18時01分)には以下のような記述があります。

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