“全身がん”の高須克弥さん「長生きすればみんながんになる」

公開日: 更新日:

 大して驚きませんでした。「おう、来たか」といったところです。人間は長生きすれば、みんながんになる。学生時代の解剖実習の時、教授から「人間は次第に細胞が死滅していくけれど、がん細胞は生き続けるから、長生きの最後はがんだけが残る」と教えられました。確かに、枯れ木のようになった老人の検体からは複数のがんが確認できました。逆にハツカネズミはがんにならないんです。がんになる前に寿命がくるからです。

 人間は長生きになったから、がんになるのは当たり前なのです。だからイボができれば取るし、歯が抜ければ差し歯もするように、がんを見つけたら取るだけです。“メンテナンス”の一環と考えています。なので、がんが見つかってすぐに開腹手術を受けて、尿管と膀胱半分と左側の腎臓は取ってしまいました。

 その時、万全を期すなら膀胱は全部取った方がよかったのですが、僕は「半分残せ」と指示をしました。なぜなら、膀胱を全部取ってしまったら人工膀胱になるでしょう? あれはなかなかケアが大変なので、自分が執刀する手術に支障を来すと思ったんです。がんは残しても仕事ができたほうがいい。それは僕にとっての「QOL」(クオリティー・オブ・ライフ)を優先した結果です。実際、入院している時に病院を脱走して手術していました。手首に患者のタグをつけたままね。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性