著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

陰嚢の裏側に暗紫赤色のブツブツが…被角血管腫の特徴とは

公開日: 更新日:

 一方で見逃してはいけないのは、被角血管腫とファブリー病との関係です。ファブリー病は、体内で「GL―3」という糖脂質を分解する酵素(α―GAL)の働きが弱いか、酵素がないためにGL―3が全身の細胞や臓器に蓄積して、全身にさまざまな症状が出現する難病です。

 症状は一度に出るのではなく、順番に出てくるのが特徴です。小児期や思春期に表れやすい代表的な症状のひとつが被角血管腫なのです。ファブリー病では「びまん性被角血管腫」と呼ばれる赤紫色の発疹が、特にお腹、お尻、陰部などに出現します。そして初期の兆候で表れるので、推定的診断として重視されています。しかし、軽度では老人性血管腫と酷似しているので鑑別には注意が必要になります。

 大人になって陰嚢にできる赤いブツブツはあまり心配ない、子供の陰部に赤いブツブツができたらファブリー病を疑う、と覚えておきましょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々