著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

死亡数は同程度というが…コロナとインフルどちらが怖い?

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルス感染症で死ぬ人と、同じくらいの数の人が毎年インフルエンザで死んでいる、というような意見があります。新型コロナとみんな騒いでいるけれど、実際には風邪の一種で大したことはないのだ、と言うのです。

 皆さんはこの意見をどう思いますか?

 新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっているアメリカでは、今年の5月初めまでに6万5000人が死亡しています。ところが、インフルエンザが大流行した2017年から18年のシーズンには、6万1000人がインフルエンザのために死亡した、と報告されています。

 これを見る限り、新型コロナとインフルエンザの死亡数には、それほどの差はなさそうです。しかし、実はこの2つの死亡数の数字は、同じように集計されたものではありません。新型コロナの死亡数というのは、実際にその病気で死亡した一人一人を集めた数字です。

 その一方でインフルエンザの死亡数というのは、同じように報告された患者数から、実際にアメリカ全土で死んだ患者数を、推測して計算された数字なのです。ある期間の報告されたインフルエンザの死亡数は3448人ですが、米国疾病対策センターが推定したインフルエンザの死亡数は2万3000人です。

 そこで実際に1週間に報告された死亡数で両者を比較してみると、少なくともインフルエンザの10倍以上、新型コロナでは患者が死亡している、ということになるのです。今怖いのは、やはり新型コロナの方であるようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い