著者のコラム一覧
東丸貴信東邦大学名誉教授、平成横浜病院健診センター長

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

心筋障害の報告も 心電図や血液検査以外に超音波検査が必要

公開日: 更新日:

心臓血管へのダメージ(上)

 新型コロナウイルスは心筋や血管にあるACE2と呼ばれる受け皿(受容体)から細胞内に入り、肺や腎臓のほかに心臓血管を傷つける。そのため、新型コロナウイルス感染症の患者では心筋炎も報告されている。2002年SARS(重症急性呼吸器症候群)流行時に心筋を調べたところ、35%にウイルスの感染が確認された。

 新型コロナ感染症患者の中には心筋トロポニン(心臓の筋肉細胞の中の収縮タンパク)やCK―MB(心筋細胞のエネルギーに関係する酵素)が血液中に流出して血中濃度の上昇を認めるような心筋障害が7・2%~37・5%で認められているとの報告もある。そのため、新型コロナウイルス感染症の患者では心電図や血液検査の他に心臓超音波検査が必要と言う意見もある。

 新型コロナウイル感染による心臓の機能低下の原因には、「ウイルスによる直接的障害」、「呼吸不全による低酸素障害」、「サイトカインによる炎症」、「冠動脈炎症による動脈硬化プラークの破たんや凝固能(固まり易さ)が高まることによる冠動脈血栓とこれによる急性心筋梗塞」、「冠動脈が狭くなることによる心筋酸素需要供給不均衡が原因の心筋虚血」などがある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  5. 5

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 8

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  4. 9

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

  5. 10

    沢口靖子も菅田将暉も大コケ不可避?フジテレビ秋ドラマ総崩れで局内戦々恐々…シニア狙いが外れた根深い事情