著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

厚労省と警察で異なる 「交通事故」の死者数は3種類ある

公開日: 更新日:

 先日、2019年上半期の交通事故死者数を「1930人」と書いたところ、「1418人の間違いではないか」というご指摘をいただいた。ちょうどいい機会なので、この違いについて解説しておこう。

 交通事故の死者数は、実は3種類ある。

 1つは厚生労働省の人口動態調査に載っている数字で、これは医師が各自治体に届ける「死亡診断書」に記載された死因に基づいている。交通事故に関しては、具体的に体のどの部位の損傷によって亡くなったかまで細かく記載される。医学的な数字というわけだ。1930人は、こちらの数字である。

 他の2つは警察庁によるものだ。これには「24時間死者数」と「30日以内死者数」がある。前者は、事故発生から24時間以内に亡くなったひと、後者は30日以内に亡くなったひとの数である。

 日本の警察は、長年にわたって、24時間死者を「交通事故死」として公表してきたし、マスコミもそのまま報道してきた。事故後24時間1分後に亡くなったとしても、警察やマスコミからは、交通事故死としてカウントしてもらえないのである。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ