著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

都道府県でも違う 自殺が多い県少ない県は実像を表しているか

公開日: 更新日:

長崎県…17・1人(14・3人)
大阪府…14・0人(16・0人)

 まず山梨県だ。警察の統計をもとに計算すると、人口10万人当たりの自殺者は22・4人。全国ワースト3位の「自殺県」ということになる。ところが厚労省の数字(山梨県民の自殺者数)で計算すると、自殺者は17・0人で全国15位だ。他県から山梨にやってきて、そこで自殺する人が多いのである。山梨県にとっては迷惑な話だろう。だが青木ケ原樹海は、全国的に名の知れた自殺スポットだし、東京や神奈川からのアクセスもいいなど、自殺願望のある人にとっては好都合な場所なのである。

 長崎県もなぜか、県外からの自殺者が多いらしい。県民の自殺率は全国屈指の低さなのに、警察の統計では47都道府県のちょうど真ん中に位置している。これといった自殺の名所は思い当たらないのだが、海岸線が複雑で、離島も多いことなどが影響しているのかもしれない。

 それに対して大阪府は、他県に出て行って自殺する人が多いようだ。府内の自殺者数は、全国45位(少ないほうのベスト3)という少なさだ。ところが厚労省の数字で見ると、全国24位。多くはないが、少なくもないという立ち位置にいる。おそらくは、周辺の滋賀県や和歌山県で、ひっそりと自殺する人が多いのだろう。

「自殺の多い県・少ない県」を語るときには、どちらの数字で見ているのかが大切ということである。

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