著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

世界7.7万人のデータが語る新型コロナ家庭内での感染リスク

公開日: 更新日:

 昨年の春、新型コロナウイルスの感染拡大が危惧される中で「ステイホーム」という標語がさまざまなメディアを通じて発信されました。不要不急の外出を避け、家で過ごすことで、感染拡大を防ごうというものです。

 しかし、感染が拡大し始めた当初に指摘されていた「接待を伴う飲食店」よりも、現在では「家庭内」で感染する人の方が多いという状況です。そんな中、新型コロナウイルスの家庭内における感染リスクを検討した研究論文が、米国医師会が発行しているオープンアクセスジャーナルに2020年12月1日付で掲載されました。

 この研究は、20年10月19日までに世界各国で報告された新型コロナウイルスの感染経路に関するデータを統合解析したものです。54件の研究に参加した7万7758人分のデータを解析した結果、家庭内における新型コロナウイルスの感染率は16・6%と、02年に中国で発生したSARSコロナウイルスの7・5%や、12年に中東で発生したMERSコロナウイルスの4・7%よりも高いことが示されました。

 また、家庭内感染のリスクは最初に発症した人が配偶者ではない家族よりも配偶者で、無症状の家族よりも症状が出ている家族で、感染者に接触した人が小児よりも成人であった場合に高まることが分かりました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋