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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

坂本龍一は術後順調と公表 直腸がんの人工肛門リスクは12%

公開日: 更新日:

 再度のがん報道に驚きました。中咽頭がんを克服した音楽家の坂本龍一さん(69)が、直腸がんであることを公表。幸い手術は成功し、治療を続けているといいます。

 結腸と直腸からなる大腸がんは、日本人に最も多いがんです。1年間に大腸がんで亡くなる人は米国を上回っていて、坂本さんのニュースは他人事ではないでしょう。

 大腸は、小腸を上からコの字形に囲む結腸と肛門に続く直腸に分かれます。大腸全体の10%に過ぎない直腸に、全大腸がんの5割が発生。直腸はがんができやすい部分で、結腸のうち直腸につながるS状結腸を含めると7割に上るほどです。

 大腸がんができる部位で比較すると、意外なことが分かってきました。右側は治りにくく、左側は治りやすいのです。

 米カリフォルニア大などの研究チームは、手術不能の大腸がん患者を、右側にできた約290人と左側にできた約730人に分けて比較。すると、生存期間の中央値は、左側が33・3カ月で、右側が19・4カ月。大きな差が見られたのです。日本の研究でも、左側の生存期間は3年で、右側を約2年も上回っていました。

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