著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

坂本龍一は術後順調と公表 直腸がんの人工肛門リスクは12%

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 右側は、結腸のうち上行結腸と横行結腸の一部で、左側は横行結腸の残りの部分と下行結腸、S状結腸、そして直腸です。坂本さんも直腸がんということで、左側。大腸の右側でなかったのは、よかったと思います。

 直腸がんを治療する上で重要なのは、肛門との距離です。がんが肛門に近いと、肛門も一緒に切除するため、人工肛門を余儀なくされることがあります。直腸を肛門に遠い方から直腸S状部、上部直腸、下部直腸に分類。がん研有明病院で2005~11年に手術した1046人の永久的な人工肛門発生頻度は順に0%、5%、23%でした。

 自分の意思で排便できるかどうかは、人間が生活する上でとても大切なこと。QOLが大きく左右されますから、肛門を温存する治療法も、開発されています。

 たとえば、肛門のすぐ近くにできたがんでも、早期なら肛門を締める肛門括約筋の部分切除をした上で直腸と肛門を縫合。肛門から排便する機能を温存できます。

 その場合、一時的に人工肛門を作ることがありますが、大体3~6カ月後には、それを除去して、本来の肛門から排便できるようになります。その結果、永久に人工肛門を余儀なくされるのは、直腸がん全体で12%にとどまっています。

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