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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

前立腺がんの放射線治療を最大限活かす「1センチの隙間」

公開日: 更新日:

 がんを克服した方のニュースは、うれしいものです。英国のロック歌手ロッド・スチュワート(74)は、ロンドン近郊でのチャリティーイベントに参加し、「前立腺がんと診断されたんだ」と告白。集まった500人のファンがショックを見せると、「もう大丈夫なんだ。早期発見で完治したから」と続けて笑いを誘ったそうです。

 報道によると、前立腺がんは3年前の検診で見つかったといいます。2000年に甲状腺がんを早期発見して以来、1年に3回の定期検査を受けていたことが、早期発見に結びついたのでしょう。不幸中の幸いだったことで、イベントでは「みんなも医者に行かないとダメだぞ」と呼びかけています。

 前立腺がんは、日本で急増していて、今後も増加の一途。ロッドのように早期発見を心掛けることはとても大切です。

 右肩上がりの背景には食生活の欧米化が関係しています。1950年の食品摂取量を100とすると、米や野菜、魚介類、いも類、豆などはほぼ横ばいですが、肉類は10倍近くに上昇。同年の栄養素を100とすると、ビタミンや炭水化物、タンパク質、食物繊維などは横ばいか微増ですが、脂肪は3倍にアップしているのです。

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