著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

安易に隣の芝生をのぞくと幸福度が下がり悩みが増大する

公開日: 更新日:

 先に挙げた「独り身」や「窓際」といった状況は、他者と比べるがゆえに「隣の芝生が青く見える」。そして、自分の能力の心もとなさを感じてしまい、頭では「自分は自分。他人は他人。比較する必要などないし、しても意味がない」、そう頭ではわかってはいるものの、やっぱり他人と比較をしてしまうのです。

 スタンフォード大学のフェスティンガーによる「社会的比較」という理論があります。人は正しく自己評価するために誰かと比べたがるという理論です。人は生きていく上で、自分自身、そして自分の置かれた状況や環境をよく知っていることが必要だから誰かと比べてしまうんですね。

 テルアビブ大学のアラドらが次のような実験(2017年)を行っています。普段はフェイスブックの使用が禁止されている情報セキュリティー会社の社員144人を対象に、彼らにフェイスブックの使用を解禁し、「友人の投稿のポジティブ体験/ネガティブ体験の受け止め方」「閲覧頻度」「自分自身の体験」「比較の程度」「幸福度」「フェイスブックの使用状況」などを調査しました。


 その結果、若い社員ほど、フェイスブックの使用によって「社会的比較」をする傾向があり、「社会的比較」を行うと幸福度が下がる――という結果が明らかになりました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず