著者のコラム一覧
佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

10年前に手術した腎臓のがんが右眉毛の上に転移して現れた

公開日: 更新日:

 Aさん(67歳・男性)は30年間、新聞社で社会部の記者として働き、定年退職後は週3日ほど友人の出版社の手伝いをし、週1回は好きなゴルフを楽しんでいました。

 ある日、右眉毛の上、額のところに2センチほどの塊ができていることに気が付きました。痛みはありませんでしたが、丸く硬くコロッとしていて、指でつまむと皮下を動く感じです。何だろう……と思って近くの病院の皮膚科に行ったところ、医師から「取りましょう」と言われ、その日のうちにそっくり切除してもらいました。

 切除した腫瘤は念のため病理検査することになりました。14日後、病理組織診断の結果は「腎がんが皮下に転移したもの」とのことで、Aさんも皮膚科医も驚きました。Aさんは10年前、腎がんの診断で右の腎臓を切除しましたが、左腎臓は残っています。早速、泌尿器科に回されて、CT、MRI、PET検査を行いましたが、残った左腎臓にはがんはできていません。しかも、他のどこにもがんの影はないとのことでした。

 泌尿器科部長は、「10年前に右腎がんは切除したが、体内に残っていた腎がん細胞は10年間じっと潜んでいて、今になって右眉毛の上に大きくなってきた」と言います。まったく元気なAさんは、他人事のような、何か夢物語を聞いているような気持ちでした。そして今はどこにも腫瘤はないことから、特に何も治療はせず様子を見ることになりました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    北島三郎(3)「北島ファミリー」の長女・原田悠里が語る御大

  2. 2

    豊昇龍が長期離脱で大の里までピンチ! “ひとり横綱”の重圧で「共倒れ」にならないか

  3. 3

    菊池風磨はジャニー喜多川氏の“推薦”もあって慶大総合政策学部に進学 仕事の合間に1日10時間の猛勉強

  4. 4

    北島三郎(2)2018年に次男が急逝「息子だけど、音楽の、とても良い仲間でもあった」

  5. 5

    SNSで大バズリ! 高市首相の「激ヤバ発言動画」発掘がブームに…中には悪質な切り取りも

  1. 6

    『ヘイ・ブルドッグ』ポールの見事なアドリブに感じるコーラスグループのすごみ

  2. 7

    有望高校球児の進路事情に異変! 青学大は「ドラフト指名と同等の価値」「明大より上」とプロスカウト

  3. 8

    KDDIが楽天モバイルへの「ローミング」終了でライバルの“品質低下”を狙い撃つ

  4. 9

    新庄日本ハム舵切り「2位シフト」 騙し騙し起用の万波中正をついに登録抹消

  5. 10

    東京・銀座、KK線再生で誕生、東京スカイコリドーは高さ8.5メートル天空の遊歩道