著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

ヤマカガシには毒を注入する「毒牙」がなく毒の被害は珍しい

公開日: 更新日:

 毒の主な作用は血液凝固機能の破壊です。われわれ哺乳類の血液には、ケガなどの出血を止めるために2つの凝固システムが備わっています。ひとつは血小板で、血管が損傷を受けるとそこに集まって塊を作り、止血します。もうひとつは繊維素と呼ばれる仕組みで、血液中のフィブリンというタンパク質が繊維状に固まって、赤血球などを巻き込みながら血栓を形成して傷口を塞ぎます。マムシ毒は血小板を減少させる作用がありますが、ヤマカガシ毒はフィブリンを減らすことでより出血しやすくします。

■毒が回り出血が止まらなくなるのは10時間後

 ヤマカガシに咬まれて毒が入ったとしてもあまり腫れないうえに、痛みも強くありません。傷口の出血もすぐに止まります。さらに厄介なことに、咬まれてから毒が効き始めるまでに数時間~か10時間以上のタイムラグがあります。その頃にはすでに血液凝固システムが壊れつつありますから、傷口からまた出血が始まり、しかもいつまでも止まりません。歯ぐきからも出血し始め、皮下出血が起こって体のあちこちが紫色になってから、あわてて病院に行く人も少なくありません。

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