著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

ヤマカガシには毒を注入する「毒牙」がなく毒の被害は珍しい

公開日: 更新日:

 もうひとつは「デュベルノイ腺」と呼ばれる上顎の器官から分泌される毒液です。なかなか強力な毒で、その作用が分かってきたため毒ヘビと認定されるに至ったのです。ただしヤマカガシには、毒を効率よく相手に注入するための毒牙がありません。その点が他の毒ヘビとの大きな違いです。

 毒ヘビは一般に「毒腺」(毒を作り出す)、「導管」(毒を牙に運ぶ)、「毒牙」の3つを備えており、とりわけ毒牙は毒液を獲物に効率よく注入するための構造をしています。たとえばマムシの牙は管牙といって、牙の中が管状になっており、注射器のように毒液を打ち込むことができます。またコブラなどは溝牙といい、牙に溝があって、そこを毒液が流れて相手に届くようになっています。毒の一部は外にこぼれてしまうため管牙よりも効率は悪いですが、毒量で補っています。

■咬まれても必ずしも毒に当たらない理由

 ところが、ヤマカガシにはそうした牙がありません。その代わり上顎の奥歯が鋭い剃刀状(長さ2~3ミリ)になっており、これで相手の皮膚に切り傷を付けることができます。また奥歯の前に導管の開口部があって、そこから毒液が滴り落ちるようになっています。運が良ければ(咬まれた側にとっては運が悪ければ)、毒液が傷口から相手の体内に浸み込むという仕掛けです。しかし、咬まれても大抵は前歯だけにとどまるので、ヤマカガシの有毒咬傷が成立するのは、かなり珍しいことなのです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  2. 2

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か

  5. 5

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  1. 6

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  2. 7

    三山凌輝に「1億円結婚詐欺」疑惑…SKY-HIの対応は? お手本は「純烈」メンバーの不祥事案件

  3. 8

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  4. 9

    佐藤健と「私の夫と結婚して」W主演で小芝風花を心配するSNS…永野芽郁のW不倫騒動で“共演者キラー”ぶり再注目

  5. 10

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意