新型コロナに感染した透析患者に有効な治療がわかってきた

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 連日、透析除水を行って肺にたまった水を抜いても酸素飽和度は改善せず、入院3日後の抗原定量検査でも体内のウイルス量は高いままだった。

「このままでは亡くなる可能性が極めて高かったことから、体内のウイルス量を減らすことがわかっているレムデシビルの投与を検討したのです。海外では2つの良好な経過をとった症例が報告されていました。そこで、当院の院内倫理委員会に申請を行って承認を得たうえで、レムデシビルを製造している製薬会社にも問い合わせ、助言をもらいながら投与が決まりました」

 連日、血液透析を2時間行った後、レムデシビルを100ミリグラム投与し、透析除水も積極的に実施。投与開始からすぐに酸素飽和度は改善し、投与4日目にはウイルス量が検出感度以下にまで減った。採血検査でも副作用は認められず、10日目には労作時の低酸素血症も見られなくなり、無事に自宅退院できた。

「毎日2時間の血液透析を行うことで、なるべく腎臓に成分を蓄積させないようにしながら、レムデシビルの投与量も通常は初回200ミリグラムのところを100ミリグラムに減らしてリスクを低減させました。治療結果は良好で、退院時はご自身で歩いて帰宅されています」

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