著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

思い込み力は大事!「運」は心掛けと行動次第で変わる

公開日: 更新日:

「いわしの頭も信心から(信仰心が深いと、いわしの頭のようなつまらないものでも、尊く思えてしまうこと)」と聞くと、プラセボ(プラシーボ)効果をイメージする方もいるのではないでしょうか。

 プラセボ効果とは、もともとは有効成分が含まれていない偽薬を、本物の薬だと思って患者が使用すると、出るはずのない効果が本物の薬のように出てしまう現象を指します。翻って、効果のあるはずのない条件でも、効果があると被験者に思い込ませて臨むと、実際に効果が表れてしまうことを意味します。

 実際、人は思い込みの力で自分の体調を変えられるともいわれており、薬効のない鎮痛剤(偽薬)を処方され「とても効いた」と感じた患者さんは、それが偽薬だと明かされた後でも引き続き鎮痛効果を得ていたという報告もあるほどです。

 人間の“思い込み力”については、さまざまな実験が行われているのですが、ケルン大学のダミッシュらの研究チームが行った実験(2010年)は、いかに思い込みが大切かを物語る範例と言えるでしょう。

 彼らは、参加者全員にパターゴルフをしてもらい、半数の人だけに「あなたの打つボールはラッキーボールです」と知らせました。すると、ラッキーボールと告げられた半数の人のカップイン率は10球中平均6・75回。対して告げられなかった人たちは10球中平均4・75回でした。なんとラッキーボールと告げられた人たちの方が、カップイン率が35%もアップしたのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?