著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

幸福感に与える影響力は「所得」よりも「自己決定」の方が大きい

公開日: 更新日:

 例えば、今から取りかかろうとしていたのに、「早く仕事をしなさい」などと上司から言われ、やる気を奪われた……。そんな経験を持つ人は多いのではないでしょうか? 人間は、生来的に自分の行動や選択を自分で決めたいという欲求が備わっています。しかし、それを強制されたり奪われたりすると、自分にとってプラスの提案であっても無意識に反発的な行動を取ってしまいます。こういった現象を、心理的リアクタンスと呼びます。

 料理を作っているときに、横から「もうちょっと塩コショウを入れたほうがいい」とか「ゆで過ぎじゃない?」などと言われると、料理を作りたくなくなるのも心理的リアクタンスによるものです。対照的に、自分一人で好きなように作ると、たとえ味が微妙であっても「私って料理上手かも!」という具合に、達成感や満足感が得られやすい。まさに心理的リアクタンスと自己決定の違いです。裏を返せば、心理的リアクタンスが起こる前に、「自分でこのチョイスをしたんだ」と考えられれば幸福度を上げることができるのです。

 運ばれてきた料理を見て、「想像していたのとは違う」と思って食べるよりも、「想像していなかった料理が来たけど、私はこれと巡り合うためにチョイスしたんだろうな」と思って食べた方が、幸福度は雲泥の差となります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  3. 8

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

  4. 9

    「東京電力HD」はいまこそ仕掛けのタイミング 無配でも成長力が期待できる

  5. 10

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー