著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

幸福感に与える影響力は「所得」よりも「自己決定」の方が大きい

公開日: 更新日:

 中国後漢の時代に編纂された「漢書」に出てくる言葉に、「朝令暮改」があります。朝、口にしていたことが夕方にはコロッと変わっている――。一聴すると悪いイメージを抱くかもしれません。しかし、朝令暮改はストレスを軽減する上で、意外にも有効な手段であると、科学は教えてくれます。

 経済産業研究所の西村氏と同志社大学の八木氏が、国内2万人に対するアンケート調査(2018年)を行った結果、「所得や学歴よりも“自己決定”が幸福感に強い影響を与える」と分かりました。アンケートでは、全国の20歳以上70歳未満の男女を対象に、所得、学歴、自己決定、健康、人間関係の5つがいかに幸福感と相関するかを分析しました。

 その結果、幸福感に与える影響力は、「健康>人間関係>自己決定>所得>学歴」の順であると明らかになったのです。所得は、増加するにつれて幸福度も比例する傾向が見られたのですが、1100万円が一つの天井であることも分かりました。むしろ、重視すべきは健康、人間関係、自己決定というわけです。

 とりわけ興味深いのは、自己決定です。自己決定によって進路を決定した人は、成果に対する努力を惜しまないため、責任や誇りを持ちやすく、達成したことによる幸福感も高い。これは、小さな自己決定においても同様です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    JリーグMVP武藤嘉紀が浦和へ電撃移籍か…神戸退団を後押しする“2つの不満”と大きな野望

  2. 2

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  3. 3

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  4. 4

    田中将大ほぼ“セルフ戦力外”で独立リーグが虎視眈々!素行不良選手を受け入れる懐、NPB復帰の環境も万全

  5. 5

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  1. 6

    FW大迫勇也を代表招集しないのか? 神戸J連覇に貢献も森保監督との間に漂う“微妙な空気”

  2. 7

    結局「光る君へ」の“勝利”で終わった? 新たな大河ファンを獲得した吉高由里子の評価はうなぎ上り

  3. 8

    飯島愛さん謎の孤独死から15年…関係者が明かした体調不良と、“暗躍した男性”の存在

  4. 9

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  5. 10

    中日FA福谷浩司に“滑り止め特需”!ヤクルトはソフトB石川にフラれ即乗り換え、巨人とロッテも続くか