著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

糖質の取りすぎよりも問題なのは、運動不足と脂肪多めの食事

公開日: 更新日:

 ご飯やパンなど糖質が好きだから、糖尿病になった。そう考えている人が結構いるのですが、日本人で糖尿病が増えたのは、糖質をたくさん取るようになったからではありません。

 糖尿病による死亡数、脂肪摂取量、糖質摂取量それぞれの1950年以降の変化を見てみると、糖尿病死亡数は増加していますが、脂肪摂取量と糖質摂取量では、脂肪が増えていて、特に75年くらいまで著しく増加しています。しかし糖質摂取量は減少しており、また、総エネルギー摂取量もやや減少しています。

 70年代に何があったかというと、まずはアメリカから某ハンバーガーチェーンが出店し、国内店舗数が増えました。自家用車の保有台数も上昇し、普段の生活で自分の足で歩く時間が減りました。

 これらが関係し、糖尿病患者の数が増加し、また総エネルギー摂取量に占める脂肪の割合が右肩上がりに伸びていることが、厚労省の調査でわかっています。

 つまり、糖尿病のリスクを上げるのは糖質ではなく、食の欧米化、そして運動不足にあるということです。ご飯やパンをたくさん食べているからといって、それだけでは糖尿病にはなりません(ただし、チャーハンとラーメンのセットのような「糖質+糖質」といった組み合わせを日常的に食べるのはNGです)。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾