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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

タレント原千晶さんは手術から13年で発症…がん手術後のリンパ浮腫は放射線治療なら免れる

公開日: 更新日:

「とうとうリンパ浮腫を発症してしまいました」とツイートしたのは、タレントの原千晶さん(49)です。2010年に子宮体がんで卵巣や卵管、リンパ節とともに子宮を全摘。手術から13年を経て、その後遺症が現れたのです。造影剤検査の結果、「左脚4カ所」にリンパ液の漏れが判明したといいます。

 リンパ浮腫とは、リンパ液の流れに異常が生じてむくむ病気です。子宮がんや卵巣がん、乳がんなどでリンパ節を切除すると、子宮がんと卵巣がんでは脚、乳がんでは腕がむくむことがあります。初期は指で押すとへこむようなむくみで、進行すると脂肪が沈着するため押してもへこみません。

 腕や脚の太さが、元の2倍くらいになることは珍しくなく、服はむくみがある方のサイズで選ぶことになります。さらに腕や脚のだるさ、痛み、しびれもあり、リンパ液のうっ滞で免疫力が下がると、感染や炎症も生じやすく、とても厄介な後遺症です。原さんは治療から13年ですが、30年たって発症することもあります。

 男性も前立腺がんでリンパ節を切除すると、リンパ浮腫になりますが、前立腺がんでのリンパ節切除はそれほど多くなく、ほとんどが女性。リンパ浮腫を起こす主体は乳がんと子宮がんで、子宮がんのうち子宮頚がんなら、治療法の選択でリンパ浮腫を避けられる可能性があるのです。

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