著者のコラム一覧
安井謙二整形外科医

東京女子医大整形外科で年間3000人超の肩関節疾患の診療と、約1500件の肩関節手術を経験する。現在は山手クリニック(東京・下北沢)など、東京、埼玉、神奈川の複数の医療機関で肩診療を行う。

肩が上がらず戸棚に手を伸ばすのも不自由…病名は頚椎症性筋委縮症

公開日: 更新日:

 これらの結果から、「頚椎症性筋萎縮症」と診断されました。脊髄には前角という部分と、前角から伸びる前根という神経根があります。加齢や外傷で、前角や前根が障害されると「肩が上がらなくなった」が生じるのです。前角と前根は運動をつかさどるため、異常があっても感覚は正常で痛みもなく、筋力だけが低下します。最初に肩と思い込んでしまうと、整形外科医でも診断までなかなかたどり着けない疾患です。

 ただ力がないだけですので、他力では痛みもなく滑らかにバンザイは可能です。前角や前根は、肘の力も部分的につかさどるため、肘屈曲筋力も軽度低下することが多いです。

 一方、五十肩と診断されがちな凍結肩では著しい可動制限が生じ、他力でもバンザイができません。腱板断裂や石灰性腱板炎では運動時の引っかかりと可動制限が伴います。また、これらは炎症による夜間痛や、可動時痛で動き自体もスムーズではありません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  2. 2

    ヤクルト村上宗隆の「メジャー契約金」は何億円?

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希もようやく危機感…ロッテ時代の逃げ癖、図々しさは通用しないと身に染みた?

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    吉沢亮「国宝」150億円突破も手放しで喜べない…堺雅人“半沢直樹ブーム”と似て非なるギャラ高騰の行方

  1. 6

    「SIAM SHADE」DAITAがメンバー4人を提訴報道…人気バンドを巡る金銭問題と、「GLAY」は別格のワケ

  2. 7

    日本ハム最年長レジェンド宮西尚生も“完オチ”…ますます破壊力増す「新庄のDM」

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希にリリーバーとしての“重大欠陥”…大谷とは真逆の「自己チューぶり」が焦点に

  5. 10

    《あの方のこと?》ラルクhydeの「太っていくロックアーティストになりたくない」発言が物議