著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

「健康寿命」は個人の主観の平均値 重要なのは老化加速度の格差

公開日: 更新日:

 健康寿命は、3年に1度行われる「国民生活基礎調査(厚生労働省)」(全国約28万世帯を対象としたアンケート調査)の中の、2つの質問項目をもとに計算されます。

 ひとつは「現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」という質問。「ない」を「健康」、「ある」を「不健康」と判定します。もうひとつは「現在の健康状態はいかがですか」という質問で、「よい」「まあよい」「ふつう」を「健康」、「あまりよくない」「よくない」を「不健康」とします。そしてサリバン法という、年齢・性別の重みづけをした計算で、健康・不健康の平均年齢を出しているのです。つまり主観に基づく数字です。

 年齢が上がれば、若い頃と比べて体力が落ちたり、膝や腰が痛んだりしてきます。また健診を受ければ、必ず何割かの人が生活習慣病に引っかかります。それを不健康と答えるかどうかは、個人の主観。ですから健康寿命とは、関節が痛んだり血圧血糖値が高めになってくる年齢の目安ぐらいに考えておけばいいわけです。

 それよりも、年齢とともに「老化の格差」が顕在化してくることのほうが重要です。言うまでもなく、老化速度は人によって違います。顔ひとつとっても、80歳で血色や肌つやが良い人もいれば、還暦そこそこで顔色が悪くシワが目立つ人もいます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    JリーグMVP武藤嘉紀が浦和へ電撃移籍か…神戸退団を後押しする“2つの不満”と大きな野望

  2. 2

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  3. 3

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  4. 4

    田中将大ほぼ“セルフ戦力外”で独立リーグが虎視眈々!素行不良選手を受け入れる懐、NPB復帰の環境も万全

  5. 5

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  1. 6

    FW大迫勇也を代表招集しないのか? 神戸J連覇に貢献も森保監督との間に漂う“微妙な空気”

  2. 7

    結局「光る君へ」の“勝利”で終わった? 新たな大河ファンを獲得した吉高由里子の評価はうなぎ上り

  3. 8

    飯島愛さん謎の孤独死から15年…関係者が明かした体調不良と、“暗躍した男性”の存在

  4. 9

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  5. 10

    中日FA福谷浩司に“滑り止め特需”!ヤクルトはソフトB石川にフラれ即乗り換え、巨人とロッテも続くか