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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

「健康寿命」とは「要介護年齢」ではない

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「高齢者」の年齢を引き上げるのはいいとしても、本当に70歳まで、さらに75歳まで、働き続ける体力や気力はあるのでしょうか。

 こうした議論で、必ず引き合いに出されるのが「健康寿命」です。厚生労働省によれば、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」とされています。最新の数字(2019年)は、男性72.68歳、女性75.38歳でした。

 ところがマスコミは「健康寿命=要介護年齢」といった主張を繰り返しています。つまり健康寿命を過ぎれば、多くの人が要介護状態になると言っているのです。要介護の前には、要支援状態、つまり要介護ほどではないが、日常生活に介助が必要な状態があります。それも入れると、男性では70歳、女性でも72~73歳で、もう仕事どころではなくなってしまうはずです。

 ところが内閣府の高齢社会白書には、「特に65~74歳では心身の健康が保たれており、活発な社会活動が可能な人が大多数を占めている」と書かれています。まったく矛盾しています。どちらが正しいのでしょうか。

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