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永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

「健康寿命」は個人の主観の平均値 重要なのは老化加速度の格差

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 ただ老化の個人差は、若いうちはあまり目立たず、仕事を続けるだけの体力や気力が維持されています。だからこそ大抵の人が、最初の定年(60歳)までは、サラリーマンや公務員を続けられるわけです。

 ところが還暦を過ぎる頃から、老化速度の違いが徐々に表面化し、年齢を重ねるごとに差が拡大していきます。老化が遅い人は、それだけ長く働き続けることが可能でしょう。定年の大幅延長や廃止など働き方改革が進めば、本人が希望するまで続けられるかもしれません。自営業者の中には90歳を越えても頑張っている人もいます。しかし老化が速い人は、最初の定年が、そのまま本当の定年になってしまいます。

 老化速度の違いは、すでに1990年代から一部の研究者の注目を集めていました。しかし当時は、老化は自然な変化と捉えるのが常識でした。個人差は、遺伝や体質などによるもので(生活習慣なども多少は影響するにしても)、どうにもならないものと考えられていたのです。

【連載】データが語る 令和高齢者の実像

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