著者のコラム一覧
池田和彦新宮アゼリア薬局・管理薬剤師

1973年、広島県広島市生まれ。第一薬科大学薬学部薬剤学科卒。広島佐伯薬剤師会会長。広島市立学校薬剤師、広島市地域ケアマネジメント会議委員などを兼務。新型コロナワクチンの集団接種業務をはじめ、公衆衛生に関する職務にも携わる。

血液をサラサラにする薬を飲んでいる人は鎮痛剤の使用に注意

公開日: 更新日:

 腰痛の薬物治療で繁用される消炎鎮痛薬が「NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)」です。ロキソプロフェンナトリウム(ロキソニンなど)、ジクロフェナクナトリウム(ボルタレンなど)、インドメタシンなどは医療用だけでなく、市販薬としても多く出回っています。

 NSAIDsは、痛みや炎症の発生に関与するプロスタグランジンという物質の産生を抑えることで効果を発揮すると考えられていて、効果が高く即効性があります。ただ、効果が強力である半面、注意しなければならない点も多くあります。使用する前に、医師や薬剤師にしっかり確認してください。

 主な副作用として、胃腸障害が知られています。多めの水で服用することである程度は防ぐことも可能ですが、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などにかかったことがある方、クローン病や潰瘍性大腸炎といった炎症性腸疾患の既往がある方は、慎重な投与が求められます。

 また、投与によって気管支喘息(ぜんそく)の病態が悪化する場合があります。NSAIDs過敏症(不耐症)と呼ばれる症状で、プロスタグランジン合成酵素を阻害する作用を持つ薬剤に対して過敏に反応することで起こります。とりわけ、アスピリンなどの解熱鎮痛薬が原因で喘息発作や鼻症状が生じるアスピリン喘息の既往がある方は、NSAIDsの使用は禁忌となっています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」