著者のコラム一覧
森維久郎赤羽もり内科・腎臓内科院長

三重大学医学部卒業。日本腎臓学会専門医。2020年5月、腎臓内科、糖尿病内科、生活習慣病の診療に特化したクリニックを開院。腎臓について伝える情報サイト「腎臓内科ドットコム(https://jinzonaika.com/)」を監修。

腎機能が低下しても自覚症状なし 気づいた時には後戻りできない

公開日: 更新日:

 私たちの体に2つある腎臓には、左右それぞれに糸球体と尿細管のセットがあります。糸球体は、細い毛細血管が毛糸のように丸まっていることからその名前がつきました。また、尿細管は、原尿の通り道になります。

 このセットは「ネフロン」と呼ばれています。ネフロンは左右の腎臓それぞれに約100万個ずつあり、ここで老廃物をろ過して腎臓がきれいにする血液は1日に約150リットル。このように大量の血液をきれいにするほか、尿を作り、ホルモンを分泌し……と、腎臓は大忙し。しかし実はとても我慢強い臓器でもあります。

 腎機能が低下したとしても、自覚症状はほとんど出ません。そのため、徐々に悪化が進み、気づいたときにはもう後戻りできないところまで悪くなっていることが多い。腎臓が「沈黙の臓器」と呼ばれるゆえんは、こういうところにあるんですね。

 老化や生活習慣などで少しずつ腎機能が低下した症状は、慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)と呼ばれ、ただちに命に関わるものではありません。しかし、決して放置していいものではなく、悪化すると病院で「人工透析」を受けなければならないことも。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」