「沈黙の臓器」腎臓の病気に在宅医療の専門医はどう対峙しているのか?

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「このような症状では、腎臓の糸球体の血管が収縮して毒素を除く濾過機能が下がった状態。血圧が上昇し、貧血が進行していると考えていい」

 慢性腎臓病は自覚したときには、すでにかなり進行した状態にある。それなのに、医師などの指導を受けないのは、わざと命を短くしているようなものだ。

「腎臓は『沈黙の臓器』と言われ、よほどのことがないと悲鳴を上げません。しかし、腎臓が働かなければ、尿毒症を起こし命を落としてしまいます。自覚症状がなくても50代を過ぎれば腎臓の機能は落ちていく。その動きを注視するのは健康の要なのです」

 実際、在宅診療で「看取り」まで自宅でサポートする場合、腎機能が残された命をカウントする指標のひとつだという。

「慢性腎不全になると、持病の薬も使いにくくなる。薬の多くが腎臓か肝臓で代謝されて体外に排出される。腎機能が弱れば、薬の成分がいつまでも体に残ってしまい、効果が過剰になるだけでなく、副作用で命の危険にもつながります。在宅診療においても、それは同じです」

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