著者のコラム一覧
佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

人工透析患者ががんになっても抗がん剤治療は不可能ではない

公開日: 更新日:

 がんの発生の多くは遺伝子異常が突然起こってしまうことによります。がんの罹患数が増加している原因のひとつは、老化、つまり高齢社会にあるようです。高齢者は、免疫能が落ちる=がんが発生することに対するチェック機能が落ちてきて、罹患しやすくなっているのです。

 2019年の「全国がん登録」によると、日本でがんと新たに診断された人は99万9075人で、男性の1位は前立腺がん(9万4748人)、女性乳がん(9万7142人)でした。2020年にがんで亡くなった人は37万8385人(男性22万989人、女性15万7396人)で、死亡総数の27.6%を占めています。1981年以降、39年連続で死因のトップです。

 一方、人工透析の患者数も少しずつ増えています。2019年の日本の人工透析患者数は約34万5000人、平均年齢は69歳となっています。

 人工透析に至った原疾患で最も多いのは糖尿病による糖尿病性腎症、次いで慢性糸球体腎炎、第3位は腎硬化症でした。

 人工透析を受けるだけでも大変なのに、透析中にがんに罹患される方もおられます。人工透析患者の死因は、心不全26%、感染症22%、そしてがんは9.3%を占めています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁