著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

日常生活の思考における約12%が「自分自身に関する比較」

公開日: 更新日:

 この連載でも簡単に触れた、米スタンフォード大学のフェスティンガーによる「社会的比較」という理論があります。人は正しく自己評価するために、誰かと比べたがるという理論ですが、フェスティンガーは、人が社会に適応していくには自分の置かれている状況や環境をよく知っていることが必要であると指摘しています。周りの環境の中で自分の立ち位置を明確に理解するためには、周りと比較してしまう。これは、社会で生きていく上で、自分がどんな存在なのかを知っておいた方が何かと都合がいいということでもあります。

 人間がこうした比較をするようになった理由を、ロンドンビジネススクールのムスワイラーらは、このように説明しています。

「比べた方が認知効率が良いから」

 とても端的に人間という生き物を表した一言でしょう。たとえば、自分の身体能力が高いのか、低いのかを知りたければ、スポーツテストの結果を見れば一目瞭然ですよね。どれくらい頭が良いのかを知ろうとしたとき、誰もが出身校の偏差値を調べるのも認知効率が良いからです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ