著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

少し体を動かすだけで長生きは出来る 一流医学誌で研究報告

公開日: 更新日:

 運動をする習慣が健康に良いというのは、誰でも「それはそうだろう」と感じていることですし、科学的にも立証されている事実です。運動は多くの病気の予防になり、健康な長生きのために有効な習慣と考えられています。しかし、その場合の運動というのは、30分以上ジムで汗を流したり、時間をかけてストレッチやジョギングをしたり、というような「本格的な運動習慣」のことです。

 一方で、会社でデスクワークをしているような人は、会議のために速足で移動をしたり、階段を駆け上がったりすることが毎日あると思います。そうしたちょっとした運動とも言えないような身体活動には何の意味もないのでしょうか?

 これまではそうした身体活動を、運動として評価するような方法がなかったので、そのような疑問に答える研究結果はありませんでした。今年のネイチャー・メディシンという一流の医学誌に、ウエアラブル端末を利用した研究結果が報告されています。携帯の端末に特殊なソフトを導入して、毎日の活動を詳細に記録したところ、平均で1日3回、1回が1~2分の身体活動を継続すると、総死亡のリスクが38~40%、動脈硬化の病気による死亡のリスクは48~49%も低下することが確認されたのです。

 階段を意識的に使うだけでも長生き効果はしっかりあるようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々