著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

運動するなら朝より夜が健康的? 糖尿病専門誌に論文掲載

公開日: 更新日:

 現代人はデスクワークが多く、そのため慢性的な運動不足の人が多い、という特徴があります。新型コロナの流行以降、在宅ワークが推奨され、もちろん感染防御には効果的だったのですが、同時に通勤だけが体を動かす機会という会社員にとっては、より運動不足が顕著になる、という欠点がありました。

 それでは、毎日長時間座って仕事をせざるを得ない、という多くの会社員にとって、いつ運動すれば最も健康的なのでしょうか?

 今年の糖尿病の専門誌に、オランダで行われた興味深い研究結果が報告されています。中年で太り気味の775人を対象として、特殊な機器を装着して1日の座位時間や運動時間を正確に測定。運動する時間帯と、肝臓に蓄えられた脂肪の量や血糖を調節するホルモンであるインスリンの効きやすさを比較検証したところ、意外な結果が明らかになりました。

 特に運動する時間を設けていない場合と比較して、午前中に集中して運動してもインスリンの効きにはあまり変化はありませんでしたが、夕方では18%、夜6時以降に運動すると25%もインスリンの効きが改善していたのです。インスリンの効きが良くなることは、それだけメタボの状態が改善することを示しています。

 まだ研究段階のデータである点には注意が必要ですが、運動するなら朝より夜の方が、メタボの改善には効果的であるのかもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?