著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

コーヒーが禁煙を成功に導く? 神経生理学の専門誌で発表

公開日: 更新日:

 たばこには体に有害な多くの作用があり、禁煙は健康のため必要であることは間違いありません。ただ、喫煙を習慣としている人にとって、禁煙はそれほど簡単なことではありません。この禁煙の難しさは、たばこの煙に含まれるニコチンに依存性があり、吸うのをやめると離脱症状が生じることが大きな理由です。

 離脱症状を軽くするにはどうすればいいのでしょうか? 喫煙を習慣にしている人からは、朝の一服の時にコーヒーを飲むと、より気持ちが落ち着くという感想がよく聞かれます。このことからは、コーヒーとたばことの間に何らかの関係があることが疑われます。

 今年の神経生理学の専門誌に、たばことコーヒーとの関係についての興味深い研究結果が発表されています。コーヒーの抽出物の中には、ニコチンが脳で結合する受容体に、同じように結合する性質のある成分があって、それにより活性の強い受容体の働きが抑制されるのです。喫煙者は体がニコチンに対して敏感になっていて、それがたばこをやめられない大きな原因と考えられているのですが、その敏感さを弱めるような働きが、どうやらコーヒーにはありそうなのです。

 朝のコーヒーがたばこと相性が良いのも、その働きによると考えられます。コーヒーの成分をうまく利用することにより、禁煙をより容易に行うことができるようになるかもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?