著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

物事を先延ばしにしてしまうのは遺伝的要因が関係している

公開日: 更新日:

 その結果、先延ばしする傾向は、環境や教育といった外的要因よりも、遺伝的要因が関係していると結論付けたのです。また、ひとつの傾向として、先延ばしをする人はとても衝動的な性質を持つことも分かりました。

 グスタフソンは、「衝動的な性質は、迅速な決定を下せる能力であり、こうした性質は私たちの初期の祖先たちにとっては有益だった」と述べています。太古の昔では、人類は日々生き残るために、知恵をはじめ、即座に判断できる能力を必要としていました。

 ところが、時代が変わり、さまざまな利便性の高いものが登場すると、中長期的な計画が大切になってきます。すると、衝動性は私たちの目標達成の妨げとなり、結果的に達成できない……。つまり、ずるずると先延ばしにするクセが生まれたと、研究では指摘しています。

 この結果を踏まえ、グスタフソンは「多くの長期的な目標設定が先延ばしグセを回避する上で大切である」と述べています。

 さらには、先延ばしグセは、なかなか前に進めない人や、その人が頼りにしている人の経済的、心理的健康に害を及ぼす可能性があるとも付言しています。ずっと停滞していると、当の本人はもちろん、その周りにいる人まで悪い影響が出てしまいかねませんからね。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑